昨年、保健所へ足を運び
大分県内の犬猫殺処分の現状をお伺いした際に
担当の方がこんな事を言っていました。
「そもそも、ノラ猫なんていないんです。」
猫の歴史を辿ると、
元々飼われていた猫が飼い主に捨てられ
「飼い主のいない猫」が外で繁殖をし
どんどん増えていってしまったんですね
今で言う「野良猫」から産まれた子猫の一年生存率は
30~40%といわれています。
カラスに食べられてしまったり
交通事故や、病死
母猫の育児放棄など
外の世界はとても過酷なんですね。。
元々単独行動で生活する動物なので
生後半年頃には母猫が子猫に攻撃的な態度をはじめ、
親離れをさせます。
そこからはひとりで狩りをし、
生きぬいていかなければならないんですね。
成猫でも、野良猫の寿命は4~5年といわれています。
それだけを聞けば
とても自然なことなのかもしれませんが
問題はその数にあります。
環境省や保健所
ボランティアさんたちが
口を揃えて訴えていること
「ノラ猫にエサをあげないでください」
「あげるなら避妊去勢手術まで面倒を見てください」
お腹をすかせて近付いてくる猫がいると
思わずご飯をあげたくなりますよね
少しでも満たされるといいな、、と
放っておけない気持ち、すごく分かります
ただ、ご飯をあげると、そこに他の猫も寄ってくるようになり
その場所が猫の出会いの場になってしまうんですね
猫は繁殖率がとても高く、一回の交配で妊娠をします。
繁殖期には個体差がありますが、年に2回ほどで
一回の出産で4匹~5匹、多い子は6匹生まれます。
単純計算で、一匹から生まれる子猫は年に12匹以上
その子猫が半年も経てば妊娠可能になり
親子やきょうだいでも交配をするので、避妊や去勢をしなければ
あっという間に増えてしまいます
結果手に負えなくなったり、近隣の苦情により
自ら保健所へ持ち込むことに・・・
持ち込まれた猫達は、基本的に即日処分です。
H25年に動物愛護法が改正され
保健所が猫の持ち込みの受け取り拒否ができるようになった為
殺処分になる子のみが有料で引き取られるんですね。
(現時点では猫の収容場所がないため)
「どうしても、やむを得ない場合」以外は、基本的に断られます。
その担当者の方が仰っていましたが
お金がないので、月に一匹ずつ・・・
という方もいるそうです。
助けたかったはずの子を
お金を出して「殺してください」とお願いをする。
これほど悲しい結末はありません。
自然界に捨てられた「飼い主のいない猫」たちは、
その場所で必死に生きているだけであって
なんの罪もありません。
避妊去勢をしないのであれば
エサをあげない方がまだマシとまで言われています。
中途半端に手を出してしまうと
自然界のサイクルが崩れてしまうので(現状、時すでに遅しかもしれませんが…)
その命に手を差し伸べる時は
その子の命を背負う覚悟が必要なのかもしれません。
同じ命
せっかく生まれた命
しあわせであってほしいです。